オオトモマキからの “超個人的” 情報発信トポス

布は傍らで語る〜

脳の襞を増やすべく、この度ボケ防止的に新たにスタートです。旧「布は傍らで語る」ブログ(2009.10~2010.05)もやってました。
昨今は日本←↓↑→メキシコ行ったり来たり。
超私的な好みでアンテナにひっかっかったメキシコや日本の物事柄を綴っていければと目論んでます。

*ここに紹介されている情報(展覧会やイベント情報、はたまた所在地など)は、月日とともに、知らぬ間に、中止や変更があるかもしれません。
ですので、お出掛けの際には今いち度ご自身で情報確認されることをおすすめしまっす!

2011年2月8日火曜日

ixtleを求めて〜マゲイの村へ潜入! San Andrés Deboxtha, Hidalgo


タイミングというのは突然にやってくるもので…
メキシコで見たいもの、そして見なければいけないもののひとつであるixtle:イシュトレ(マゲイ繊維の糸)の生産が行われている村を訪れることができたのです。


マゲイの地、またイシュトレの地としてValle de Mezquital: ヴァジェ・デ・メスキタルと呼ばれる一帯がイダルゴ州にあり、この土地にはHñahñu: ニャニュ(Otomí:オトミ)の人々が多く暮らしています。

“メキシコのシンボル”である植物:マゲイについて語り始めるとキリがないのですが、簡単に。
メキシコ全土、基本的にはどこにもかしこにも生えているマゲイとは「リュウゼツラン:竜舌蘭」のことです。Agave:アガベ科に属し、昨今ではテキーラの原料となる植物として有名です。が、『マゲイからはすべてが生まれる』と言われるほどにメキシコ、特にニャニュの人々にとってはむか〜しからこの植物が生活に欠かせない多種多様な素材として使用されてきました。


例えば、家屋の建材としてマゲイの肉厚な葉が使われたり…現在、サン・アンドレスでは倉庫として使用されている様子でしたが、おそらく別の村では住居として使用しているケースもあるのではないかしらと思います。
他にもPulque:プルケ(アルコール)、Aguamiel:アグアミエル(マゲイシロップ)、家畜のエサ、燃料としてなどなど…
でもってその葉からは強い繊維が抽出できるので、それを糸にして織機で織ったり編み物をするのです。そのマゲイ繊維から作った糸を“ixtle(イシュトレ)”と呼びます。


同行させてもらった長年この村で研究調査してる友人の経験知識と顔の広さのおかげで…今でもイシュトレ作り、またはイシュトレを使い制作している女性数名のもとを訪ねることができたのです。細かなプロセスなども見させてもらい、それはもう感激!やっぱり百問は一見にしかず、です。
そのプロセスは重労働にも関わらずもうけは割に合わない…ということもあり、続けて行くのもかなり大変かと。
現在は生活必需品というよりもArtesanía:民芸的な品としてイシュトレを使ったボデイスポンジ、ベルト、テーブルクロス、巾着などが制作され主にIxmiquilpan: イスミキルパンの市場や民芸品店などで販売されてます。
Pachuca:パチューカにあるCasa de las Artesanías HIDARTEにはかなりクオリティの高いいろいろな品が販売されていました。


村が一望できる小山頂上の礼拝堂でミサが行われるというので参加。ミサの内容は曖昧ですが、村人観察にエネルギーを注ぎます。しかし、実はそれと同じくらいに私自身も人々から視線を浴びていましたが…
最近まではイシュトレを織った布Ayate:アジャテで赤ん坊を背負ったり(背負うというかモノを運ぶときと同じ形態)、種蒔きや運搬用の袋としても使用されていました。
*画像の赤ん坊袋はアジャテではない

イシュトレ目的での滞在だったのですが、その目的を果たすとともに他にもさまざまな物事人に出会えた貴重な時間。
土地ひとつひとつに歴史があり、また人ひとりひとりに歴史があるのだなと実感したのであります。

0 件のコメント:

コメントを投稿