オオトモマキからの “超個人的” 情報発信トポス

布は傍らで語る〜

脳の襞を増やすべく、この度ボケ防止的に新たにスタートです。旧「布は傍らで語る」ブログ(2009.10~2010.05)もやってました。
昨今は日本←↓↑→メキシコ行ったり来たり。
超私的な好みでアンテナにひっかっかったメキシコや日本の物事柄を綴っていければと目論んでます。

*ここに紹介されている情報(展覧会やイベント情報、はたまた所在地など)は、月日とともに、知らぬ間に、中止や変更があるかもしれません。
ですので、お出掛けの際には今いち度ご自身で情報確認されることをおすすめしまっす!

2011年6月29日水曜日

セニョールたちが織りまくる、レボソの村 Rebozos de Tenancingo, Estado de México


以前紹介したここのように、メキシコにはレボソの生産地として有名な土地がいくつかありますが…今回は、主に綿を素材にしたレボソづくりの盛んなTenancingo:テナンシンゴという村にレボソ好きの友人とともに行ってきました。

今回、調査モードは30%。かっちょいいレボソを買うことがメインです。
中心地にある常設のMercado Municipal(市営市場)周辺を流し歩いてみますと、日曜でティアンギス(定期市場)が出ていることもあってすごい人です。


あります、あります、レボソの屋台が出ていました。
このレボソ通り(勝手に命名)にはおおよそ10件ほどの小さなレボソ屋が密集してて、それぞれ売っているものもけっこうタイプがいろいろ。そして、この通りには歩き売りのセニョーラもうろうろしている。屋台で足を止めていると知らぬ間に数名に囲まれます。

ティアンギスを抜けたあと、常設市の外側でもおよそ10件ほど店が出ていました。
市場内にもレボソ屋があると想像してたのですが、見つからず…靴屋のおじさんに質問してみたら、(頼まずとも)親切に知り合いのレボソ屋に連れて行ってやるという話になり…しかし、おじさんが連れて行ってくれのは数分前に通りすぎた店でした…。が、おじさんは店の人たちに「このコらがレボソをどうやってつくるのか見たいんだって。」と話を盛ってくれ、店のおじさんも「なら、いまから織機持って来るからここで待ってて。」と予想だにしない流れに。
流れに身を任せるか、という感じでおじさんが織機持ってくるまで店のレボソを物色。

これも何かの縁ですし…私はこのタイミングを利用して調査モードに切り替え、店のおばちゃんや娘さんに質問を浴びせます。
おばちゃんにempuntado:エンプンタード(フリンジ部分を編む)の方法を見せてもらったりしつつ話をしていると、ひとりのおじさんが織り上がったレボソを納品にやって来たり、また別のおじさんが店のおばちゃんに「もう少しで織り上がるから、また持ってくるね〜。」と挨拶に来たり。そして店のおばちゃんの旦那さんもレボソを織ってるとのことで、この村は男性ばかりが織りの仕事をしているようです。そして織り終わったレボソのフリンジを編む作業は主に女性がしているようです。
この村のおじさんたちはご自宅でTelar de otate(腰機)を使い、レボソを織りまくっているのですね。興味深いです。
*不特定多数の「おじさん(ちゃん)」、「おばさん(ちゃん)」の連発。分かりにくくてすみません…。


と、そんなことに関心していたら、店のおじさんが織機を持って帰ってきました。
これがこの村の伝統的な織機:Telar de otateです。腰でテンションを張りながらおるのですが、他の村でよく見る腰機とは違い、立ったまま織るのです。これがとても重労働で、女性は腰をやられる!?こともあり、この村は男性が織っているという話。

突然はじまったレボソの織実演に、通りかかる地元の人びとですら足をとめてました。そしてみんな熱心に見入り、私ら以上に質問していました。

余談ですが、おじさんの織っていたこの幅1m、長さ2mのレボソは確か5,000ペソ(約35,000円)でした。織り上がりにはひと月かかるとのこと。もちろん、値段は織物の密度が細かければ細かいほど高くなります。そしてエンプンタードが凝ったデザインであるほど高くなります。この店で見せてもらった一番お値打ちのあるレボソは15,000ペソ(約105,000円)でした。ほほほ、マジか!?と苦笑いしつつも、そのレボソの絣部分とエンプンタードの繊細さはため息ものでした。


レボソは織物として見るだけでも楽しめるのですが、それは身体に巻いてみるとまた印象が違って見えます。
というか、洋服でもなんでもそうだけど…レボソも巻いてみないと分からない。
店にディスプレイされているレボソを見るよりも、道で会うセニョーラが巻いてるレボソが欲しいと思うことも多々ありでした。

この村のレボソは、冒頭の画像のように赤・緑・黄・青など華やかな色をつかった絣のデザインもあり、バリエーションが豊富です。
お会いしてレボソを見たかった有名な織職人のおじさん(冒頭画像のレボソ織った人)がいたのですが、今回は時間がなく断念。まあ、どうせとっても高価なことでしょうし、今の私には手が届かんでしょう…。またの機会にゆっくりということで、今回はとりあえず手の届く範囲のレボソを二枚買いました。

2011年6月23日木曜日

お気にいりのトルタ屋ができました Tortería La Texcocana

ああ、さっき食べたばかりなのに、また食べたくなってきたよー。
ここ、Tortería La Texcocana のTorta:トルタがやっぱり美味しくて…思わずネタにしちゃいます。
*トルタとは簡単に言えばサンドイッチでして、パンにいろいろな具をはさむ形体の食べものです。


紹介してる画像が動画からの転載なので、なんだか臨場感なく申し訳ないですが…そのお店紹介のVTRを見てもらえると、店の下町っぽい生かした雰囲気も伝わるかと思います。1936年創業の老舗です。
http://www.youtube.com/watch?v=TBOoDKdYTNs


まだ二種類しか食べたことないのですが、とりあえず Carnitas:カルニータス(焼豚)のトルタが旨すぎる。なんでも2005年に“一番旨いトルタ”として一位受賞歴もあるそうです。焼豚が旨いのはもちろん、このたっぷり塗られる緑のワカモレ(アボガドクリーム)がとってもマイルドなのと、上にかけられるチポトレサルサのピリ辛が、まさに絶妙なコンビです。
ああ、思い出したらツバがでてきたよー。


*画像はどなたかのブログから転載
そしてここのパンは街でよく見かけるトルタより、小さくて手のひらサイズなところがまた食べ易くていいのです。Bacalao(タラ)のトルタも旨いらしいらしいので、次回挑戦してみます。

最近このCentro Historico(歴史地区)に出掛けると、寄る店が決まってしまってる…。
このトルタ屋は最近のお気に入りなのと、あとはせっかくこの辺りきたのなら Ideal 寄ってパン買いましょってなるし、その手前の食器や台所用品の店も必ず立ち寄ってしまう。完全ワンパターンですな。

しかし、この地区のカオスっぽさはかなり好きです。
人びとの商売・購買エネルギーが満ちていて、無駄にテンションが上がってしまうのです。
わたしの中では年中、年末年始の上野みたいなイメージ。ちょっと違うか…。


Tortería La Texcocana
トルテリア ラ・テシュコカーナ
月曜〜土曜 10:00-19:00
Independencia 87-A, Col, Centro

大きな地図で見る


*metro Savilla近くにもう一店舗あり
Hamburgo 281-2, Col. Juarez

2011年6月15日水曜日

世界一の富豪によるエキセントリックな美術館 Museo Soumaya Plaza Carso


またまた、実にエキセントリックな建築がメキシコシティに誕生しておりました。
Museo Soumaya : ソウマヤ美術館の別館(?) : Plaza Carsoとしてポランコ地区に今年の3月、デっかくオープン。さすが、世界一の富豪はやることが違います。
以前からあるソウマヤ美術館同様に、Carlos Slimさん(富豪)の財団による美術館ですが、こちらの創設にはメキシコ大統領やらGarcía Márquez(コロンビアの小説家)なども一枚噛んでるそうです。そして建築したのはFernando Romeroさんという若手(か?)の方とのこと。




オープン間もない“ホットなスポット”ということもあってか、お客さんはわんさかおりました。
外観は想像通り。奇抜な建築構造とウロコ状の表面にはなかなか度肝を抜かれます。下から見上げたときの過度なパースのつきにもびっくり。でしたが、美術館の中に入ると外観の奇抜さとの関係がほとんど見られず、ちょっと期待はずれ。6フロアにまたがってこれでもかと大量の展示物がさらされておりましたが、広い館内を移動するのにはかなりのエネルギーを消耗します。最上階のフロアにはロダンや19、20世紀のヨーロッパ彫刻がところ狭しとちりばめられており、まるで彫刻の森。自然光が天井から注ぐ構造になっていてここはなかなか気持ちよかったです。

個人的には、テラスがあればいいのに…ミュージアムショップがあればいいのに…そして中に入っているレストランがSanbornsってのはどうかと…が所感です。これは、展示物で楽しめなくてもこれらのオプションによって充実感を得られる場合があるという意見(美術館のアミューズメント化に従って)。いや、ほんとうは展示物がメインですけどね。今回あまり興味のない領域の展示だったということもあり…。


ところで、この美術館の周辺はなんとも建築ラッシュのようで、あっちこっちにデカいマンションやらショッピングモール併設のオフィスビルが建ちはじめている模様でした。この美術館に辿り着く前に、工事と工事の狭間に残された小さな道に迷い込んでしまったのですが、少し遠くに見える美術館やその周辺の開発地との落差に少しセンチメンタルな気持ちになりました。数年以内にはこうした通りも開発に飲み込まれているのでしょう…。

2011年6月7日火曜日

第6回テキスタイルアート国際ビエンナーレ in メキシコ VI Bienal Internacional de Arte Textil Contemporáneo México 2011 

Museo Anahuacalliにて、テキスタイルアートの国際ビエンナーレ:VI Bienal Internacional de Arte Textil Contemporáneoが行われているとのことで行ってきました。

Diego Rivera:ディエゴ・リベラの創設したこの美術館、今回はじめて足を運んだのですが、ディエゴの思想・想像・夢がモリモリのとてつもなくパワフルな建築ですごく良かったです。内部は撮影禁止なので画像はありませんが…最上階にはテラスがあり、そこからメキシコシティの東西南北が眺望できて、それも気持ちよかった。
この美術館一帯の地盤は火山岩でできているのですが、なんと美術館の建材すべてに美術館の所有している土地の火山岩が使われているのです。だからですね、さすがの重厚感。しかし、正面がどうしても国会議事堂の中央部分に似ている…。


テキスタイルアートビエンナーレの展示ですが、この手の類いの雰囲気が久しかったもので何だか懐かしみつつ作品を見て回りました。




中でも気になったのが、Ana Karen Allendeさん(メキシコ)の“あなたの夢のために私は戦う”という作品。


他作品と比べ、もの凄く異才を放っています。第三位受賞作品でした。これまでのステレオタイプのテキスタイルアート、またはファイバーアートをぶっ壊すべきだということでしょう。
これを選んだ審査員の方々の意向が気になるところです。
これは新たなテキスタイルアートの幕開けか!?