オオトモマキからの “超個人的” 情報発信トポス

布は傍らで語る〜

脳の襞を増やすべく、この度ボケ防止的に新たにスタートです。旧「布は傍らで語る」ブログ(2009.10~2010.05)もやってました。
昨今は日本←↓↑→メキシコ行ったり来たり。
超私的な好みでアンテナにひっかっかったメキシコや日本の物事柄を綴っていければと目論んでます。

*ここに紹介されている情報(展覧会やイベント情報、はたまた所在地など)は、月日とともに、知らぬ間に、中止や変更があるかもしれません。
ですので、お出掛けの際には今いち度ご自身で情報確認されることをおすすめしまっす!

2011年12月5日月曜日

“おかんアート”に触れる!!in 石巻 La Artesanía de OKAN en ISHINOMAKI


先週まで一週間ほど宮城県・石巻に出掛けて参りました!
なにはともあれ…自分の目でこうした場所を見ることができ、また多くの方から当時の話なども聞くことができました。そして、また会いに来ます!と挨拶して別れることの喜びを改めて感じさせてくれたステキな出会いでした。 

と、爽やかに落ち着けつつも今回の本題は「おかんアート」です。 石巻でこんな魅力的でホットなモノと出会えるとはまったく予想にしていませんでした!

                            

あるお宅のお母さんがつくった「トイレットペーパーカバー人形」に目を奪われ、思わず激写です! 何てキュートな出で立ちでしょう。色違いの人形4体と現在作り途中の1体、計5体のカワイコちゃんが棚から足をぶらぶらさせて座っていたのです。
かわいすぎる!

   どこにでもあって、だれからもリスペクトされることなく、作者本人もアートとはまったく思わず、売ったり買ったりもできず、しかしもらえることはよくあり、しかももらってもあまりうれしくない——そういうのが「おかんアート」の真髄だ。 

最近では「お母さんがつくるアート」を「おかんアート」と呼ぶらしく、まさしく石巻のお母さんがつくるこのお人形たちも!!
  オカンミュージアムで全国の作品たちを見ていたら、全国でオカンたちがこのトイレットペーパー人形をつくっていることが判明。


石巻のお母さんのお人形たちは頭にペーパーを引き出す穴は開いておらず、ただペーパーの上にかぶせておくだけ。ペーパーを使うには機能的ではないので、おそらくカバーというよりお人形がメインで芯としてペーパーを使っているだけっていう感じ。しかしこのお母さん、ものすごく丁寧。フリルと表情にこだわりを持っていて、なによりクオリティがとても高いです。 
他のお宅でも“おかんアート”を目の当たりにしました。 あるお母さんは、風景写真を下図にして色和紙をちぎっては貼りしてつくっていく「ちぎり絵」。あ、これはおかんアートというか「アート」ですね…。以前、受賞したことなんかもあると言っていましたし。 

トイレットペーパー人形をつくりはじめたきっかけは、お友だちが作っているのを見て真似したらたのしかったから。 しかしお友だちの人形のつくり方を発展させて、帽子に凝ったボンボンをつけたり、フリルを派手にしてみたらお母さんらしさが表現されたのでしょう。

こうした“ハウ・トゥ”がオカンからオカンへ伝わっていくのも「オカンアート」の特徴のひとつではないでしょうか。

2011年8月31日水曜日

メキシコにトリップのひと時!映画『グッド・ハーブ』  Las buenas hierbas


昨年の9月あたりにメキシコで上映されていて、当時見たかったけど逃し、帰国する前にDVDを探したのだけど見つからず…そしたら日本で公開しているとのことで約1年越しに見ることができた映画『グッド・ハーブ(Las buenas hierbas)』
日本にて、愛しのメキシコにトリップできた幸せのひと時でありました。


あらすじはホームページなどを参照いただくとして…
映画の世界観がとっても心地良かったです。
自分の住んでいた街、使っていた駅、行ったことのある植物園などなどが登場しまくりでしたし、主要人物の親子(特に母親:ララ)がメキシコ各地のウィピルやブラウスを着こなす姿がとてもかっちょ良かったです。

これはメキシコで見ずに、日本で見て正解だったなと。
今の私にとっては「無いものねだり」的な感じで映画の素敵度が強調されたこともあるかと思います。

タイトル:『グッド・ハーブ』とあるように、この映画の世界観には『薬草』が重要な役割を果たしています。
メキシコでも西洋医学による医療がメジャーではありますが、同時に薬草を使用した予防や治療なども残っています。
チャムラのママも、山に行くと「どの草が何に効く」など教えてくれました。
人によって経済的に病院に行くことが難しいという理由もありますが、そうでない人の間でも日本で言う「おばあちゃんの知恵」的にその知識は伝承されている様です。


メキシコで買ったこの冊子:『El Poder Curativo de las Plantas (植物の治癒力)』『Poder Curativo de Jugos y Tés (搾り汁とお茶の治癒力』。メキシコで薬草として使われている植物と使い方、その効能などがシンプルに書かれてます。
気が向いたときにでも勉強しようかと思っております。
スペ語の忘却を少しでも免れるために…。




2011年8月20日土曜日

アーティスティック手漉き紙の工房を見学! Taller Leñateros en San Cristobal de las Casas



このブログ、月に3回更新できれば上出来!というスタンスなので、情報サイトとしてまだまだ足りない〜とも自負しているのですが…。しかし友人・知人に「メキシコのおすすめ」を聞かれた際には「このブログをば見ておくんなさい」と投げることができるので、超個人的には説明いらず!の便利なサイトになったな〜とも感じている今日この頃。
さて、先月末に晴れて一年ぶりに日本へ本帰国したわたくしですが…
アップしていないメキシコネタがまだ手元にあるので、当分はメキシコ情報を続けていきたいと思います!

今回は、以前ココでもちょろっと出したChiapas州、San Cristobal de las Casasの中心にあるTaller Leñaterosを見学した時の模様です。
サンクリに行くたびにここのポストカードを買いまくり日本の友人たちに送りまくっていたのですが、工房におじゃましたのは今回がお初でした。

工房の説明などはHPの日本語説明を読んでいただくとして…


工房に到着後、なかでゆる〜く働いてる人たちに挨拶しましたら「工房見学したいの?」と聞かれたので「ぜひに!」と意気込み返事。
チャボのゆる〜い説明付きで各作業場を回ることができます。

パルプづくりの作業場でひときわ目を引いたのがこのサイクリング・パルプ粉砕器!

見た瞬間「おおっ」と笑いながら反応ししてしまった…そしたら近くにいたおばちゃん(おねえちゃん?)が使い方を説明してくれたのですが、なんともそのハッピーな姿にまたニンマリしてしまった。「やってみる?」と言われたので聞かれたことにこれまた驚き、「いや、だって自転車乗ってるのと同じやん」とニンマリとお断りしてしまったけど、今考えると乗るべきだったな。
なんでもやってみよう!の精神は重要です。




古紙をリサイクルしたり、バナナの茎の繊維を材料にして紙づくりもしています。
パルプ自体を細かくしすぎず素材感を残したままの紙や、花びら樹皮を混ぜたようなものもあり、テクスチャーにかなりオリジナリティがあって好きなのです。色も鮮やかなものから渋めのものまでバリエーション豊かですし、なによりもその紙にプリントされる絵柄やデザインが力強くてもろに私の好みです。とてもエネルギッシュです。
この地域に暮らすマヤ系のアーティストたちが運営しているとのことで、ポジティブな意味でとても自(民族)尊心の強いマヤの人びとのそうした思想や世界観が現代的にかっちょ良く表現されていると思います。


直営ショップがGuadalupe通りにもあるのですが、この工房併設のショップはさらに豊富な品揃えです。
出版物も発行していたり、版画アーティストとコラボレーションして制作や作品発表もしたりしていて、そうした活動もステキです。

ぜひ、いつかレニャテーロスに名刺をつくってもらいたい。

Taller Leñateros
Calle Flavio A. Paniagua 54,
San Cristóbal de las Casas, Chiapas México
*工房は朝〜17:00頃まで(だった気がします)のOPEN
Guadalupeのショップは日曜休(土曜も?)うる覚えでごめんなさい…


2011年7月22日金曜日

めくるめく…メキシコシティ市場巡礼 Viva!! Mercados en la Ciudad de México


メキシコの“市場”という場所は、売り手と買い手のエネルギーがムンムンしていて、特に欲しいものがなかったにも関わらずいつの間にかメルカドマジックによってアドレナリンが放出、帰るころには両手がいっぱいになってしまうことがしばしばです。
もちろんメキシコ全国各地、そしてメキシコシティの至る所に大型スーパーマーケットがあるので日常で必要なものはスーパーで事足ります。しかし特定のもので色んな種類を見たいときや安く手に入れたいときには、やっぱりその専門の市場に行くのがイチバンです。

ということで、メキシコシティに数ある市場の中で、わたくしのお気に入りの市場をいくつか紹介いたします。

★Mercado de la Merced (メルセー市場) :
ここ1週間で2回通ってる…。このメルセー市場では野菜・果物・肉・乳製品など…のあらゆる食品から、食器や日用雑貨、洋服や靴などなど…ありとあらゆるものが売られている。市場の建物内はもちろんですが、その周りの地域一帯もあらゆる問屋街が集まっていて、うろうろ歩いてしまった日にはその種類の豊富さと安さに完全に“ハイ”になります。例えば、日暮里か?っていうような菓子問屋が集まる通りであったり、合羽橋か?っていうような食器や調理器具の問屋が集まる通りなんて私にとっては天国です。もちろん、スーパーなどで買うよりもかなり安い!だから地下鉄や道端で売ってるガムだの飴だのって絶対ここで仕入れてるんだろうな〜と考えてしまう。食器などは大量買いするとさらに割引してくれるのも問屋ならではですな。一般人また業者や商売やってる人も来る市場なので、平日でもかなり活気があります。メトロの駅出てすぐ、市場の食堂が集まる通りに出ます。そこのお兄ちゃんたちの呼び込みがすごく馴れ馴れしくてうけます。「ゴルディータスあるよ、ほら寄ってけアミーガ!」ってな具合に肩を手でタッチされます。
*メトロ1号線(ピンク)、Merced駅一帯

★Mercado de Sonora (ソノラ市場) :
メルセー市場から少し歩いたところにあって、ここもかなり大きな市場です。あらゆる魔術や占いグッズ、また薬草など売られている所として有名です。なかには「惚れ薬」や「モテる石鹸」などネタになるようなグッズもあったりします。薬草売りのおばちゃんやおじちゃんはクランデーロ(薬草や祈祷などで病気を直す人)的な人たちなので、症状を言うと効力のある薬草や直し方を教えてくれます。ニキビに効く薬草はないですか?と質問したら、何とかという薬草(名前は忘れました…)を煎じたお湯で顔を洗って、鳥(何鳥かは不明)の羽でなでればいい、と教えられました。他にもペット用、魔術用の犬や猫や鳥などの動物も売られていたり、陶器やファンシーグッズなどなど、いろいろあります。
*メトロ1号線(ピンク)、Merced駅から徒歩8分ほど



★Mercado de la Lagunilla (ラグニージャ市場) :
ついひと月ほど前にはじめて行ったのですが、ここもかなりのエネルギー値です。日曜日は市場の周りの道が骨董市になります。けっこうな数の店が出るので見応え十分、そしてかなり古いけど味のある色んなものがありました。平常の市場は衣類がメイン、CDやDVDなども多いです。ミチェラーダ(ビールと塩とレモン汁などを混ぜた飲物) 1リットルのデカい紙コップを片手に(片手で持てませんが…)ぶらつくのがラグニージャ流のようです。
*メトロB号線または8号線(グレーと緑)Garibaldi駅から徒歩10分ほど

★Mercado de la Ciudadera (シウダデラ市場) :
メキシコ全国のArtesanía:民芸品が集まる市場。全国のメジャーな民芸品はここで手に入るので、旅行者にとっては地方民芸品の買い忘れがあった時には強い味方です。私がお気に入りの店はTonalá: トナラ焼きの店と、皮製品の店。かわいい皮のバッグ(メキシコモチーフが刻印されたものなど) がかなり安く買えます。あと駐車場の方にはビーズや毛糸細工で有名なHuichol: ウイチョールの民芸品専門店があるのですが、Nayarit 州(ウイチョールの人たちが多く住む州) の街で売っていたものよりもかわいく見えたのは気のせいか?
この市場では値段交渉に応じてくれる店がほとんど。商品を見ていると、何も質問しないうちから値下げした値段を言ってくる店員さんも多いです。
*メトロ3号線(からし色) または1号線(ピンク) Balderasから徒歩8分ほど


シウダデラ市場以外の3つの市場は、観光色が薄く、かなり庶民的な雰囲気です。
世界ふしぎ発見!ミステリーハンターの竹内海南江さんも言うように…市場は決して治安が良いとは言えない、危険な場所でもあると。ということで、身軽にお出掛けすることをおすすめします。わたしも市場にカメラ持っていってパシャパシャする勇気はなく…画像は全部借り物です。

この他にもメルカドは多種多様にあります。
シティでは、メルカドの目印にトップ画像のような看板があるので「おっ!こんなところにメルカドが!」って気づくこともあります。
メキシコでは、スーパーはスーパーの役割、メルカドはメルカドの役割ってな具合にちゃんとバランスがとれていて上手く共存している気がします。いくらスーパーは便利でも、メルカドやティアンギス(定期市)の方が値段は断然安い。人びとの経済格差が広いということもあってでしょう…

メキシコではメルカドはスーパーマーケットにして遣られるのではなく、その活気を保っているのであります。

2011年7月19日火曜日

長居したくなる緑と光の空間 IAGO: Instituto de Artes Gráficas de Oaxaca


オアハカに来るのも何度目だろうか…。好きな場所だったり店だったりには幾度も通ってしまう性分です。

オアハカに来ると必ず立ち寄る美術館や店や市場がありますが、その中のひとつ、IAGO: Instituto de Artes Gráficas de Oaxaca は決して広くはない空間に、アートギャラリー、図書館、カフェレストラン、パテオと研究所の入った文化センターです。
オアハカ中心地のあのゆったりとした、しかしどこか知的欲求をくすぐるような空気感がこの敷地内には凝縮されている気がして、えらくお気に入りの場所。


手前にはアートギャラリーが二部屋。写真や版画、イラストなどの平面アート作品の展示が行われています。

中央のパテオを取り囲むように図書館があり、主に国内外のアート関連書籍を扱っていて、一般図書館では見られないマニアックなものもある。本棚や書籍閲覧用の机と椅子は味のある木で統一されていて落ち着きがあります。とても私の好みです。

また、図書館に囲まれて敷地内中央には小さなカフェレストランがあり、そこではランチやお茶が楽しめます。

しかし、ここの見所はなんと言っても、カフェレストランの奥にあるパテオです。





曇空だったので、いまいち写真がきれいではありませんが…
壁面や天部に木々のツタや葉がはっていて緑豊か。静かに本を読んだり、パソコンをしたり、小声でおしゃべりしたり、飲み物を飲んだり、皆さんこのすてき空間で思い思いに時を過ごしています。こじんまりとした空間ですが、とても居心地が良くて長居したくなるのです。人があふれるでもなく、全く人がいないでもなく、丁度良い人工密度がまたこの居心地の良さをつくっていて、そんな空間が好きで人が集まってくるのでしょうね。


IAGO
Macedonio Alcalá No 507, Centro, Oaxaca
9:30-20:00
*オアハカ中心地、サント・ドミンゴ教会正面の通り(教会を背にして)をちょっと右に行くとすぐです。ファサードが目立たないので見逃さないように!

2011年6月29日水曜日

セニョールたちが織りまくる、レボソの村 Rebozos de Tenancingo, Estado de México


以前紹介したここのように、メキシコにはレボソの生産地として有名な土地がいくつかありますが…今回は、主に綿を素材にしたレボソづくりの盛んなTenancingo:テナンシンゴという村にレボソ好きの友人とともに行ってきました。

今回、調査モードは30%。かっちょいいレボソを買うことがメインです。
中心地にある常設のMercado Municipal(市営市場)周辺を流し歩いてみますと、日曜でティアンギス(定期市場)が出ていることもあってすごい人です。


あります、あります、レボソの屋台が出ていました。
このレボソ通り(勝手に命名)にはおおよそ10件ほどの小さなレボソ屋が密集してて、それぞれ売っているものもけっこうタイプがいろいろ。そして、この通りには歩き売りのセニョーラもうろうろしている。屋台で足を止めていると知らぬ間に数名に囲まれます。

ティアンギスを抜けたあと、常設市の外側でもおよそ10件ほど店が出ていました。
市場内にもレボソ屋があると想像してたのですが、見つからず…靴屋のおじさんに質問してみたら、(頼まずとも)親切に知り合いのレボソ屋に連れて行ってやるという話になり…しかし、おじさんが連れて行ってくれのは数分前に通りすぎた店でした…。が、おじさんは店の人たちに「このコらがレボソをどうやってつくるのか見たいんだって。」と話を盛ってくれ、店のおじさんも「なら、いまから織機持って来るからここで待ってて。」と予想だにしない流れに。
流れに身を任せるか、という感じでおじさんが織機持ってくるまで店のレボソを物色。

これも何かの縁ですし…私はこのタイミングを利用して調査モードに切り替え、店のおばちゃんや娘さんに質問を浴びせます。
おばちゃんにempuntado:エンプンタード(フリンジ部分を編む)の方法を見せてもらったりしつつ話をしていると、ひとりのおじさんが織り上がったレボソを納品にやって来たり、また別のおじさんが店のおばちゃんに「もう少しで織り上がるから、また持ってくるね〜。」と挨拶に来たり。そして店のおばちゃんの旦那さんもレボソを織ってるとのことで、この村は男性ばかりが織りの仕事をしているようです。そして織り終わったレボソのフリンジを編む作業は主に女性がしているようです。
この村のおじさんたちはご自宅でTelar de otate(腰機)を使い、レボソを織りまくっているのですね。興味深いです。
*不特定多数の「おじさん(ちゃん)」、「おばさん(ちゃん)」の連発。分かりにくくてすみません…。


と、そんなことに関心していたら、店のおじさんが織機を持って帰ってきました。
これがこの村の伝統的な織機:Telar de otateです。腰でテンションを張りながらおるのですが、他の村でよく見る腰機とは違い、立ったまま織るのです。これがとても重労働で、女性は腰をやられる!?こともあり、この村は男性が織っているという話。

突然はじまったレボソの織実演に、通りかかる地元の人びとですら足をとめてました。そしてみんな熱心に見入り、私ら以上に質問していました。

余談ですが、おじさんの織っていたこの幅1m、長さ2mのレボソは確か5,000ペソ(約35,000円)でした。織り上がりにはひと月かかるとのこと。もちろん、値段は織物の密度が細かければ細かいほど高くなります。そしてエンプンタードが凝ったデザインであるほど高くなります。この店で見せてもらった一番お値打ちのあるレボソは15,000ペソ(約105,000円)でした。ほほほ、マジか!?と苦笑いしつつも、そのレボソの絣部分とエンプンタードの繊細さはため息ものでした。


レボソは織物として見るだけでも楽しめるのですが、それは身体に巻いてみるとまた印象が違って見えます。
というか、洋服でもなんでもそうだけど…レボソも巻いてみないと分からない。
店にディスプレイされているレボソを見るよりも、道で会うセニョーラが巻いてるレボソが欲しいと思うことも多々ありでした。

この村のレボソは、冒頭の画像のように赤・緑・黄・青など華やかな色をつかった絣のデザインもあり、バリエーションが豊富です。
お会いしてレボソを見たかった有名な織職人のおじさん(冒頭画像のレボソ織った人)がいたのですが、今回は時間がなく断念。まあ、どうせとっても高価なことでしょうし、今の私には手が届かんでしょう…。またの機会にゆっくりということで、今回はとりあえず手の届く範囲のレボソを二枚買いました。

2011年6月23日木曜日

お気にいりのトルタ屋ができました Tortería La Texcocana

ああ、さっき食べたばかりなのに、また食べたくなってきたよー。
ここ、Tortería La Texcocana のTorta:トルタがやっぱり美味しくて…思わずネタにしちゃいます。
*トルタとは簡単に言えばサンドイッチでして、パンにいろいろな具をはさむ形体の食べものです。


紹介してる画像が動画からの転載なので、なんだか臨場感なく申し訳ないですが…そのお店紹介のVTRを見てもらえると、店の下町っぽい生かした雰囲気も伝わるかと思います。1936年創業の老舗です。
http://www.youtube.com/watch?v=TBOoDKdYTNs


まだ二種類しか食べたことないのですが、とりあえず Carnitas:カルニータス(焼豚)のトルタが旨すぎる。なんでも2005年に“一番旨いトルタ”として一位受賞歴もあるそうです。焼豚が旨いのはもちろん、このたっぷり塗られる緑のワカモレ(アボガドクリーム)がとってもマイルドなのと、上にかけられるチポトレサルサのピリ辛が、まさに絶妙なコンビです。
ああ、思い出したらツバがでてきたよー。


*画像はどなたかのブログから転載
そしてここのパンは街でよく見かけるトルタより、小さくて手のひらサイズなところがまた食べ易くていいのです。Bacalao(タラ)のトルタも旨いらしいらしいので、次回挑戦してみます。

最近このCentro Historico(歴史地区)に出掛けると、寄る店が決まってしまってる…。
このトルタ屋は最近のお気に入りなのと、あとはせっかくこの辺りきたのなら Ideal 寄ってパン買いましょってなるし、その手前の食器や台所用品の店も必ず立ち寄ってしまう。完全ワンパターンですな。

しかし、この地区のカオスっぽさはかなり好きです。
人びとの商売・購買エネルギーが満ちていて、無駄にテンションが上がってしまうのです。
わたしの中では年中、年末年始の上野みたいなイメージ。ちょっと違うか…。


Tortería La Texcocana
トルテリア ラ・テシュコカーナ
月曜〜土曜 10:00-19:00
Independencia 87-A, Col, Centro

大きな地図で見る


*metro Savilla近くにもう一店舗あり
Hamburgo 281-2, Col. Juarez

2011年6月15日水曜日

世界一の富豪によるエキセントリックな美術館 Museo Soumaya Plaza Carso


またまた、実にエキセントリックな建築がメキシコシティに誕生しておりました。
Museo Soumaya : ソウマヤ美術館の別館(?) : Plaza Carsoとしてポランコ地区に今年の3月、デっかくオープン。さすが、世界一の富豪はやることが違います。
以前からあるソウマヤ美術館同様に、Carlos Slimさん(富豪)の財団による美術館ですが、こちらの創設にはメキシコ大統領やらGarcía Márquez(コロンビアの小説家)なども一枚噛んでるそうです。そして建築したのはFernando Romeroさんという若手(か?)の方とのこと。




オープン間もない“ホットなスポット”ということもあってか、お客さんはわんさかおりました。
外観は想像通り。奇抜な建築構造とウロコ状の表面にはなかなか度肝を抜かれます。下から見上げたときの過度なパースのつきにもびっくり。でしたが、美術館の中に入ると外観の奇抜さとの関係がほとんど見られず、ちょっと期待はずれ。6フロアにまたがってこれでもかと大量の展示物がさらされておりましたが、広い館内を移動するのにはかなりのエネルギーを消耗します。最上階のフロアにはロダンや19、20世紀のヨーロッパ彫刻がところ狭しとちりばめられており、まるで彫刻の森。自然光が天井から注ぐ構造になっていてここはなかなか気持ちよかったです。

個人的には、テラスがあればいいのに…ミュージアムショップがあればいいのに…そして中に入っているレストランがSanbornsってのはどうかと…が所感です。これは、展示物で楽しめなくてもこれらのオプションによって充実感を得られる場合があるという意見(美術館のアミューズメント化に従って)。いや、ほんとうは展示物がメインですけどね。今回あまり興味のない領域の展示だったということもあり…。


ところで、この美術館の周辺はなんとも建築ラッシュのようで、あっちこっちにデカいマンションやらショッピングモール併設のオフィスビルが建ちはじめている模様でした。この美術館に辿り着く前に、工事と工事の狭間に残された小さな道に迷い込んでしまったのですが、少し遠くに見える美術館やその周辺の開発地との落差に少しセンチメンタルな気持ちになりました。数年以内にはこうした通りも開発に飲み込まれているのでしょう…。

2011年6月7日火曜日

第6回テキスタイルアート国際ビエンナーレ in メキシコ VI Bienal Internacional de Arte Textil Contemporáneo México 2011 

Museo Anahuacalliにて、テキスタイルアートの国際ビエンナーレ:VI Bienal Internacional de Arte Textil Contemporáneoが行われているとのことで行ってきました。

Diego Rivera:ディエゴ・リベラの創設したこの美術館、今回はじめて足を運んだのですが、ディエゴの思想・想像・夢がモリモリのとてつもなくパワフルな建築ですごく良かったです。内部は撮影禁止なので画像はありませんが…最上階にはテラスがあり、そこからメキシコシティの東西南北が眺望できて、それも気持ちよかった。
この美術館一帯の地盤は火山岩でできているのですが、なんと美術館の建材すべてに美術館の所有している土地の火山岩が使われているのです。だからですね、さすがの重厚感。しかし、正面がどうしても国会議事堂の中央部分に似ている…。


テキスタイルアートビエンナーレの展示ですが、この手の類いの雰囲気が久しかったもので何だか懐かしみつつ作品を見て回りました。




中でも気になったのが、Ana Karen Allendeさん(メキシコ)の“あなたの夢のために私は戦う”という作品。


他作品と比べ、もの凄く異才を放っています。第三位受賞作品でした。これまでのステレオタイプのテキスタイルアート、またはファイバーアートをぶっ壊すべきだということでしょう。
これを選んだ審査員の方々の意向が気になるところです。
これは新たなテキスタイルアートの幕開けか!?

2011年5月23日月曜日

ixtleを求めて〜マゲイの村へ潜入!第二弾 El Alberto, Hidalgo


2月に訪れたValle de Mezquital:ヴァジェ・デ・メスキタル地域のマゲイの村のひとつ、Deboxtha:デボクサに続いて、先週はまた違う村El Alberto:エル・アルベルトに、ixtle調査のため潜入しておりました。
かのYOUTUBEで何気なく“ixtle”と検索してみたところ、この村のイシュトレ協同組合についてのビデオがヒット!聖週間中に一度足を運び、この組合幹部の女性と運良く知り合い、今回いろいろ見させていただいた次第です。


この村と、周辺5つの村の女性たちがつくっているixtle製品を統括しているのがこの協同組合「Hña nunsí Bheña」。
この時はBODYSHOPのオリジナルスポンジ1500個をイギリスへ納品すべく、せっせとスポンジが作られまくり、またそれらが検品・梱包されまくり、とても忙しそうな様子でした。
私もスポンジを袋につめていく作業をおばちゃんらに混ざり、8時間!やりました。作業中、彼女ら同士ではスペイン語ではなくHñahñu:ナニュ語での会話なので、何を話してるのかは全くわかりませんでした(何となく分かるときもある)。もちろん彼女らはバイリンガルなので私にはスペイン語で話してくれ、ラジオとともに歌ったり、日本語・Hñahñuの教え合いなど…どのおばちゃんも個性豊かで、とてもかわいがってもらったのです。

この村のすごいところは、若者から年寄りまでほぼすべての女性がixtleの製品づくりに携わっていることではないかと思います。
もちろん、その全ての女性が各家庭でマゲイの葉から繊維を取り出し、糸にして、織りや編みをして製品をつくっています。女性たちは、各家庭でそのプロセスを経て完成したスポンジやその他の製品を協同組合に納品にやってきます。毎日午後には、組合の建物の前に納品にきた女性たちで長蛇の列ができるのですが、並んでいる最中ももちろん彼女たちは糸を紡いだり、スポンジを編んだり、おしゃべりしていても手は動き続けてます。道で出会う女性たちも、歩きながらも手は作業をしています。
お世話になっていた家族のママが娘の中学校の懇談会に行くというので付いていったのですが、その懇談会中も参加していたママさんの数名はしっかりスポンジを編む作業をしていました(うちのママも)。いや、この「いつでもどこでも手があいていれば」精神はすごいなと関心してしまったのであります。



組合の組長(でいいのか?)さんにある女性を紹介してもらい、葉から繊維抽出のプロセスをすべてみせてもらうこともできました。このお宅の姑さんが生かした感じだったので、どさくさに紛れて写真をいっぱい撮ってしまった。


そして、こうやってどこかの村へ調査に行くときに楽しみなのが家庭料理です。
お世話になっていたお宅のママや姑さんを見ていて、村の女性は本当に働きものだな〜と今回も関心しっぱなしだったのですが、彼女たちの作る料理も常に手が込んでいて、ますますメキシコ料理が好きになってしまいました。

特に、「サルサ」の味は本当に家庭それぞれ。
アメリカ出稼ぎ中の娘さんに送るための「魚と香草のタマレス」を作っていたのですが、それとともに「虫入りサルサ」も。この虫が完全にカミキリムシ的な昆虫でして、それを煎って、すりつぶして、唐辛子や水と混ぜるのです。生きてる時のこのコらを見て、おっとっと思ったのですが、煎った後の彼らは香ばしくて美味でした。

またひとつ、メキシコ虫体験をして強くなった気がします。

2011年4月27日水曜日

メキシコ初夏のアイスクリーム・パラダイス CXXVI Feria de la Nieve en Tulyehualco


極彩色なポスターがひと際目を魅きます。
本日まで開催されていた CXXVI Feria de la Nieve en Tulyehualco : 第126回(!!)アイスクリーム・フェアにて、アイス天国を満喫してきました。
まずこのイベント、1885年から続いているということに驚愕です。Tulyehualcoというメキシコシティの南東山腹に位置するこの村では、昔々から冬に積雪のあるPopocatepetlから氷を運び、フルーツやシロップと混ぜて食べていたという歴史があるそうです。

メキシコのアイス事情をざっと紹介しますと…

★ Helado (エラド) : アイスクリーム系
★ Nieve (ニエベ) : アイスミルクまたはシャーベット系
★ Raspado (ラスパード) : かき氷

に分類されるかと思います。
Heladoと言えば西洋から入って来たいわゆる「アイスクリーム」というイメージで、Nieveと言えば「メキシコ伝統的アイス」というニュアンスでしょうか。Raspadoはデカい氷の塊をスコップのような道具で削り、シロップをかけたもの。


このフェア、15~20店舗ほどのNevería (ネベリア) : アイス屋が出店していました。
どこの店もこうした木の樽に氷を入れ、そこにステンレスのアイス容器を入れて溶けないように保存しています。こうしたNeveríaはメキシコ全国にあり、どこか固定の店舗で営業しているというよりも、道路脇や街の広場などにテントを張り商売していることが多いように思えます。


Nieveの味はオーソドックスなバニラ、チョコ、イチゴなどから、マンゴ、マメイ、チャモイ、チーズ、テキーラなどなど…多岐に渡ります。せっかくのアイスフェアということで普段あまり見かけない味を試したくなりますが、Lechuga : レタスや Mole : モーレ (メキシコの郷土料理でチョコレートと唐辛子などの香辛料を混ぜてつくったソース)といった変わり過ぎなネタも。レタスを試食させてもらいましたが、ミルク味がベースでそこに若干の汁と葉が入っている、けっこうイけていた気がします。
そうやって色んな「フレーバー」を楽しむのが主かと思いますが、私自身は味というよりもNieveの舌触りにこだわりがあります。

★ねっとり型:トルコアイス的な粘り感
★シャリシャリ型:繊細な細かい氷のシャリシャリ感
★ジャリジャリ型:粗目の氷粒のジャリジャリ感

フレーバーがクリーミ系かさっぱり系にもよりますが、私は断然シャリシャリ型の繊細派です。おそらく水、牛乳、生クリーム、他の具の分量と、凍らせ方などによってそうした差があるのかなと想像します。メキシコ全土、小さな村にでもあったりするメキシコNO.1アイスチェーン店:MICHOACANA(ミチョアカーナ)のアイスは「ねっとり型」なのですが、どうもこの人工的な粘り気が日本のアイスでは味わったことのない舌触りで好きになれません。今回のフェアのNieveでもこのねっとり型がいくつかありましたが、何をいれたらこういう粘りが出るんだろうか…と不思議です。


こちらのアイス屋さんのいい所は、味見をさせてくれるところです。気になるフレーバーを言うと、小さなスプーンですくって食べさせてくれるシステム。今回試食も入れたら15フレーバーくらい食べたのではないかしら。購入して食べたフレーバーは友人:3味、私:4味。今回一番おいしかったかなというのは意外なレタスとピスタチオかな。

しかし、オアハカのミトラ遺跡の入口前にあるNeveríaには勝らず。
舌触りの滑らかさが格別です。そして何よりココナッツ味ベースのNieveに人参の千切りが入った「Zanahoria(サナオリア) : 人参」が絶品です。

このNieveのために、わざわざミトラに行くほどの価値ありです。

2011年4月25日月曜日

我らはプルケの子供!! 3ra Feria del Pulque y la Barbacoa, Ixmiquilpan, HGO


メキシコはちょうど先週末からSemana Santa:聖週間があり、日本で言うところのゴールデンウィークでした。
そんな、どこもかしこも観光客でいっぱいになるバケーションですが、私は“研究調査”という名目のもと…イダルゴ州・イスミキルパン(Ixmuquilpan, HGO)へ出掛けていました。
本命は以前も紹介したixtle: マゲイから抽出した繊維でつくられた糸やその生産品、またその生産者を訪ねることでしたが、偶然にもイスミキルパンにて イダルゴ州の二大特産品であるプルケとバルバコアのフェア: Feria del Pulque y la Barbacoa なる魅力的なイベントが開催されていると知り、マゲイ繊維の研究をしているにも関わらずプルケを飲んだことがなかった私が行かない訳にはいかない!ということで、プルケ初体験レポートです。

Pulque : プルケとは…マゲイ(リュウゼツラン)から取れる水分:Agua Miel (アグア・ミエル)を発酵させてつくったアルコールの一種です。製法としては日本の“どぶろく”に似たようなもので、または韓国のマッコリ(両方とも原料は米ですが)。
マゲイが豊富なイダルゴ州では、街にPulquería: プルケ専門の飲み屋があったり、朝取れたプルケを道端で売っていて、その周りにおじさんやおばさん(年配の方々)がたむろして飲んでいる光景を目にします。

このプルケ・フェアは小規模だったので4~5件程しかプルケ屋台がなかったのですが、その一件の人たちと仲良くなり3日間通うことに。


というのも、このプルケ屋の店構えがイカしていたので写真撮影させてくれとお願いし、快くOKをもらったと同時にプルケの試飲攻めに合い…いろんな味を飲ませてもらったのです。


イチゴとチェリー味の “beso de angel : 天使のキス” は甘酸っぱい。
セロリ、リンゴ、パイナップルなどが入った “fibra : 繊維” はお通じに良さそうです。
マゲイから抽出した水分Agua Miel (アグア・ミエル:トップの画像の白い液体)をベースに、そこに果物や野菜の絞り汁を入れて色んな味を作っているようです。他にはトマト味、松の実と牛乳のクリーミーな味もありました。
いろいろ試したけれど、味のついていないナチュラルなプルケ:アグア・ミエルが私は一番好きでした。発酵後の酸味と甘さ、そして独特のトロ味がなんとも言えず、しかしフレッシュな味わいがあります。
アルコール度数は高くないのですが、酔っぱらう度数(?)が高く、しかも目が回るという話。私自身は酔っぱらった!という感じでなかったけれど、イベント会場でプルケを片手に真っ赤な顔でロレツが怪しいおじさんを数名目にしたので、回り方が独特なのでしょう。
私の場合、夜やけにお腹にガスが溜まった感がしました。


そして、2日目。プルケ屋のセニューラのゴルディータスをご馳走になる。とてつもなく辛かったけれど、手作りのサルサが激旨でした。
そして、3日目。ご馳走していただいてばかりだったので、美味しそうなゼリーを手土産にして挨拶に行ったのですが、またもやプルケ、そんでもって近くの屋台でバルバコアも。あのバルバコア(羊肉を地面に作ったオーブンで焼いたもの)、今までで一番旨かった気がします。

やはり、旅ではその土地の旨いものを食わずして、その土地の文化は分からない!!
ixtle調査で訪れた村のセニューラのお宅でも、ちょうど昼ご飯にお邪魔してしまい…ご飯にお呼ばれ。
他の村でもタコス屋のセニョーラと話していて、マゲイの花のケサディージャをご馳走になったり。
それこそ、今後は昼時間を狙って行くのが一石二鳥だ、なんて考えるくらいです。

「ヨネスケの突撃!隣の晩ご飯」やってる気にすらなります。
メキシコではデカイしゃもじじゃなくて、何を持ったらいいのかしらん。