オオトモマキからの “超個人的” 情報発信トポス

布は傍らで語る〜

脳の襞を増やすべく、この度ボケ防止的に新たにスタートです。旧「布は傍らで語る」ブログ(2009.10~2010.05)もやってました。
昨今は日本←↓↑→メキシコ行ったり来たり。
超私的な好みでアンテナにひっかっかったメキシコや日本の物事柄を綴っていければと目論んでます。

*ここに紹介されている情報(展覧会やイベント情報、はたまた所在地など)は、月日とともに、知らぬ間に、中止や変更があるかもしれません。
ですので、お出掛けの際には今いち度ご自身で情報確認されることをおすすめしまっす!

2011年4月27日水曜日

メキシコ初夏のアイスクリーム・パラダイス CXXVI Feria de la Nieve en Tulyehualco


極彩色なポスターがひと際目を魅きます。
本日まで開催されていた CXXVI Feria de la Nieve en Tulyehualco : 第126回(!!)アイスクリーム・フェアにて、アイス天国を満喫してきました。
まずこのイベント、1885年から続いているということに驚愕です。Tulyehualcoというメキシコシティの南東山腹に位置するこの村では、昔々から冬に積雪のあるPopocatepetlから氷を運び、フルーツやシロップと混ぜて食べていたという歴史があるそうです。

メキシコのアイス事情をざっと紹介しますと…

★ Helado (エラド) : アイスクリーム系
★ Nieve (ニエベ) : アイスミルクまたはシャーベット系
★ Raspado (ラスパード) : かき氷

に分類されるかと思います。
Heladoと言えば西洋から入って来たいわゆる「アイスクリーム」というイメージで、Nieveと言えば「メキシコ伝統的アイス」というニュアンスでしょうか。Raspadoはデカい氷の塊をスコップのような道具で削り、シロップをかけたもの。


このフェア、15~20店舗ほどのNevería (ネベリア) : アイス屋が出店していました。
どこの店もこうした木の樽に氷を入れ、そこにステンレスのアイス容器を入れて溶けないように保存しています。こうしたNeveríaはメキシコ全国にあり、どこか固定の店舗で営業しているというよりも、道路脇や街の広場などにテントを張り商売していることが多いように思えます。


Nieveの味はオーソドックスなバニラ、チョコ、イチゴなどから、マンゴ、マメイ、チャモイ、チーズ、テキーラなどなど…多岐に渡ります。せっかくのアイスフェアということで普段あまり見かけない味を試したくなりますが、Lechuga : レタスや Mole : モーレ (メキシコの郷土料理でチョコレートと唐辛子などの香辛料を混ぜてつくったソース)といった変わり過ぎなネタも。レタスを試食させてもらいましたが、ミルク味がベースでそこに若干の汁と葉が入っている、けっこうイけていた気がします。
そうやって色んな「フレーバー」を楽しむのが主かと思いますが、私自身は味というよりもNieveの舌触りにこだわりがあります。

★ねっとり型:トルコアイス的な粘り感
★シャリシャリ型:繊細な細かい氷のシャリシャリ感
★ジャリジャリ型:粗目の氷粒のジャリジャリ感

フレーバーがクリーミ系かさっぱり系にもよりますが、私は断然シャリシャリ型の繊細派です。おそらく水、牛乳、生クリーム、他の具の分量と、凍らせ方などによってそうした差があるのかなと想像します。メキシコ全土、小さな村にでもあったりするメキシコNO.1アイスチェーン店:MICHOACANA(ミチョアカーナ)のアイスは「ねっとり型」なのですが、どうもこの人工的な粘り気が日本のアイスでは味わったことのない舌触りで好きになれません。今回のフェアのNieveでもこのねっとり型がいくつかありましたが、何をいれたらこういう粘りが出るんだろうか…と不思議です。


こちらのアイス屋さんのいい所は、味見をさせてくれるところです。気になるフレーバーを言うと、小さなスプーンですくって食べさせてくれるシステム。今回試食も入れたら15フレーバーくらい食べたのではないかしら。購入して食べたフレーバーは友人:3味、私:4味。今回一番おいしかったかなというのは意外なレタスとピスタチオかな。

しかし、オアハカのミトラ遺跡の入口前にあるNeveríaには勝らず。
舌触りの滑らかさが格別です。そして何よりココナッツ味ベースのNieveに人参の千切りが入った「Zanahoria(サナオリア) : 人参」が絶品です。

このNieveのために、わざわざミトラに行くほどの価値ありです。

2011年4月25日月曜日

我らはプルケの子供!! 3ra Feria del Pulque y la Barbacoa, Ixmiquilpan, HGO


メキシコはちょうど先週末からSemana Santa:聖週間があり、日本で言うところのゴールデンウィークでした。
そんな、どこもかしこも観光客でいっぱいになるバケーションですが、私は“研究調査”という名目のもと…イダルゴ州・イスミキルパン(Ixmuquilpan, HGO)へ出掛けていました。
本命は以前も紹介したixtle: マゲイから抽出した繊維でつくられた糸やその生産品、またその生産者を訪ねることでしたが、偶然にもイスミキルパンにて イダルゴ州の二大特産品であるプルケとバルバコアのフェア: Feria del Pulque y la Barbacoa なる魅力的なイベントが開催されていると知り、マゲイ繊維の研究をしているにも関わらずプルケを飲んだことがなかった私が行かない訳にはいかない!ということで、プルケ初体験レポートです。

Pulque : プルケとは…マゲイ(リュウゼツラン)から取れる水分:Agua Miel (アグア・ミエル)を発酵させてつくったアルコールの一種です。製法としては日本の“どぶろく”に似たようなもので、または韓国のマッコリ(両方とも原料は米ですが)。
マゲイが豊富なイダルゴ州では、街にPulquería: プルケ専門の飲み屋があったり、朝取れたプルケを道端で売っていて、その周りにおじさんやおばさん(年配の方々)がたむろして飲んでいる光景を目にします。

このプルケ・フェアは小規模だったので4~5件程しかプルケ屋台がなかったのですが、その一件の人たちと仲良くなり3日間通うことに。


というのも、このプルケ屋の店構えがイカしていたので写真撮影させてくれとお願いし、快くOKをもらったと同時にプルケの試飲攻めに合い…いろんな味を飲ませてもらったのです。


イチゴとチェリー味の “beso de angel : 天使のキス” は甘酸っぱい。
セロリ、リンゴ、パイナップルなどが入った “fibra : 繊維” はお通じに良さそうです。
マゲイから抽出した水分Agua Miel (アグア・ミエル:トップの画像の白い液体)をベースに、そこに果物や野菜の絞り汁を入れて色んな味を作っているようです。他にはトマト味、松の実と牛乳のクリーミーな味もありました。
いろいろ試したけれど、味のついていないナチュラルなプルケ:アグア・ミエルが私は一番好きでした。発酵後の酸味と甘さ、そして独特のトロ味がなんとも言えず、しかしフレッシュな味わいがあります。
アルコール度数は高くないのですが、酔っぱらう度数(?)が高く、しかも目が回るという話。私自身は酔っぱらった!という感じでなかったけれど、イベント会場でプルケを片手に真っ赤な顔でロレツが怪しいおじさんを数名目にしたので、回り方が独特なのでしょう。
私の場合、夜やけにお腹にガスが溜まった感がしました。


そして、2日目。プルケ屋のセニューラのゴルディータスをご馳走になる。とてつもなく辛かったけれど、手作りのサルサが激旨でした。
そして、3日目。ご馳走していただいてばかりだったので、美味しそうなゼリーを手土産にして挨拶に行ったのですが、またもやプルケ、そんでもって近くの屋台でバルバコアも。あのバルバコア(羊肉を地面に作ったオーブンで焼いたもの)、今までで一番旨かった気がします。

やはり、旅ではその土地の旨いものを食わずして、その土地の文化は分からない!!
ixtle調査で訪れた村のセニューラのお宅でも、ちょうど昼ご飯にお邪魔してしまい…ご飯にお呼ばれ。
他の村でもタコス屋のセニョーラと話していて、マゲイの花のケサディージャをご馳走になったり。
それこそ、今後は昼時間を狙って行くのが一石二鳥だ、なんて考えるくらいです。

「ヨネスケの突撃!隣の晩ご飯」やってる気にすらなります。
メキシコではデカイしゃもじじゃなくて、何を持ったらいいのかしらん。

2011年4月15日金曜日

本にはバラを。小粋な書籍まつり Fiesta del Libro y la Rosa 2011 UNAM


ああ、今日はひさびさに “文化的” な充実感を感じた一日。

UNAM:メキシコ自治大学のCentro Culturalの一帯で開催されていた Fiesta del Libro y la Rosa 2011 UNAM に行ってきました。
UNAM 主催の本日限りのブックフェアですが、主な書籍販売以外にも講演会や詩の朗読、演劇やアート・ワークショップ、作家とファミレスでお茶会なるものもあったり。あと、出版社から寄付された本を自由に持ち帰れる、なんていうコーナーもありましたがそこは常に長蛇の列。
朝9時半から夜0時までという長く盛り沢山なイベント。


会場一帯は Centro Cultural Universitaria:大学文化センターと呼ばれているだだっ広い大学のいち部分で、三年前にオープンしたMUAC:現代美術館やコンサート・演劇が行われるホールをはじめ、映画館や本屋、またおサレなレストランやカフェもあり、何となくゆったりした時間が流れているのでお気に入りの場所。

書籍が目当ての私は12時半頃に会場入り。
既に会場は大勢の人でにぎわっており、狭いブースに入って本を探すのもひと苦労です。
以前のブログでも紹介したように、メキシコは新品も古本も書籍の値段が本屋によって異なることがしばしば。安く購入できるに越したことはないので、こういった出版社から直接購入 (しかもディスカウントプライスで) できるブックフェアは外せない。
今回は本一冊、Leñateros のポストカード三枚の購入。


そして、このイベント名 “本とバラの祭” にあるように、各ブースで本を一冊買うたびにバラを一輪もらえるという小粋なシステムがありました。中には六本くらい手にしている人もいて、それだけ本を買ったということですね。
もちろん私も一輪もらいましたが、歩き回ってるうちに炎天下にやられてか…花が開ききってしまったので花びらを数枚ちぎり、買った本にはさんで持ち帰りました。

sexto piso editorial という出版社が木の本棚を使っていて他ブースと違った雰囲気。書籍もオリジナリティを感じる装丁が多くて目を引きました。

あと、初紹介となりますが、 Museo Universitario Arte Contemporáneo:UNAM現代美術館の展示もついでに見ました。珍しく!気になる作品との出会い。コロンビア人作家のDoris Salcedo の “Plegaria Muda : 無言の祈り” というインスタレーション作品。展示室に入った瞬間は Christian Boltanski の “最後の教室” を思い起こす空間性を孕んでいたけれど、キレイに整理されすぎた感があり、惜しくも及ばず。“匂い”とか“触感” までは感じられなかったけど、悪くない展示でした。このMUACへ来るたびに日本の「金沢21世紀美術館に似てるな〜」っていつも思います。ファサードの印象は全く違うのですが、展示室の区切りや中庭の設置の仕方など。

いやはやで、結局2時間半ほどうろうろしたのですが、私が帰ろうとする時分にはさらなる人人人でいっぱいに。
最近、めっきり真夏のような暑さになってきたメキシコシティですが、そんな気候の暑さとともに人の熱気も充分でした。
こういうエネルギー(まあ、メキシコ人特有の購買意欲だったり楽しみたい意欲っていうのかな)の中にいると、ああ、メキシコは元気でエネルギーいっぱいだ!!って感じるのです。

そしてなによりも、人びとが手にバラを持っているというのもこのイベントの非常に素敵で憎い演出でした。