オオトモマキからの “超個人的” 情報発信トポス

布は傍らで語る〜

脳の襞を増やすべく、この度ボケ防止的に新たにスタートです。旧「布は傍らで語る」ブログ(2009.10~2010.05)もやってました。
昨今は日本←↓↑→メキシコ行ったり来たり。
超私的な好みでアンテナにひっかっかったメキシコや日本の物事柄を綴っていければと目論んでます。

*ここに紹介されている情報(展覧会やイベント情報、はたまた所在地など)は、月日とともに、知らぬ間に、中止や変更があるかもしれません。
ですので、お出掛けの際には今いち度ご自身で情報確認されることをおすすめしまっす!

2010年6月22日火曜日

メキシコ民族衣装にみる“アイデンティティ”  México vestido de tradición

リカちゃんもバービーも目じゃない!

メキシコシティMuseo de Arte Popularで展示されていた『México vestido de tradición. Colección María Esther Zuno de Echeverría』が凄まじかったです。

1970年〜1976年にメキシコ大統領を勤めたLuis Echeverría Álvarezの妻、María Esther Zunoさん。
消え行く“メキシコの素晴らしさ”をどうにか残し、またそれらを子供たちにアトラクティヴに伝えていくことはできないかーと考え…メキシコ全土を旅し、各地の民族衣装や付随する小物類を収集。さらに、全長52cmのビニール人形をインディヘナのアルテサノたち(手工芸のアーティスト)に配布し、そのスケールで各地の衣装をつくってもらったようです。

その実物大衣装と小物、人形によるミニアチュールコレクション500点以上の中から相当数が見れた見応えたっぷりの展示。

  

↑全32州の主な民族衣装を着たお人形たちによって形つくられたメキシコ地図。これだけの数が並ぶとちょっと怖いです。

                    

このお人形たちのすごいところは、精巧に再現された各地の民族衣装や小物を身につけているだけにとどまらず、髪型やメイクも完璧です。そして衣装や小物は、それらを作るにあたっての道具や素材までも一部は人形と同じスケールにつくられたそうで、繊細さは一目瞭然。織物や刺繍のデザインも全く不自然なところがなく、さもスモールライトでそのまま小さくされたかのよう。作り手たちの技量と意識の高さがうかがえるなー。

はじめはMaríaさん自身がひたすらに作り続けたものなのかと勘違いしてて、『なんてパッションを持ったおばちゃんなんだっ』とアウトサイダーちっくに鑑賞してたのですが… おばちゃん(元ファーストレデイに失礼な)が全部つくってなくても、これだけの点数とクオリティの高さには圧倒されます。
それと、人形たちの佇まい。このちょっと笑える滑稽さがさらに愛おしくさせる。いちおう、ビニール人形は男性・女性と分けられているのですが…三つ編みして女性衣装着ているのに「口ひげ」があるよ〜とか、ウイチョル族4人衆の男性がぴっしり七三頭とか。
人形一体一体の個性もやばいです。




私自身もメキシコ各地の民族衣装を把握しようと記録・分類作業を長〜い目でしてる最中ですが、時代・地域・民族・祭事別によって莫大な種類が存在しています。資料だけで安易にカテゴリ化をすることは不可能だと気づき、実際に足を運んで目にしたものを記録していくしかないわーと悟ったところです。衣装は時とともに変化・消失していく(率が高い)ものなので、このコレクションの中にも実際の地域では既に変化・無くなった衣装も多いと思います。ですので、ある時代の衣装記録としても非常に貴重なものなんです。まあ、私的にはその辺りの真面目な価値というよりは、ミニアチュールの完成度の高さや人形の滑稽さに魅かれるのですが。

衣装ってかなりかさ張るものなので収集は今のところ避けているのですが、この『ミニ化』ってかなり良いアイデアです。
やるやらないは別にして。

*ブログのトップ画像もこの展示で撮影したものを使用

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